ポンプを扱うような業種については、九州全域の職業別電話帳からすべてリストアップしました。
約一万店ありましたが、全体にダイレクトメールを出すことにしました。
集客効果を高めるために、こんな細工をしました。
「九州内の有力なポンプ取扱店様一千店に限定してこのご案内をお送りしております」という文言を入れたのです。
実際には一万店に出したのですが、受け取る方は「特別な案内」として認識してくれたようです(いまだから書けることですが……)。
故障や不良品を次から次に徹底的に解体、組み立てをしてポンプの技術は取扱店が直面するであろう実務に即してマスターしました。
したがって、販売店にとっては、いわゆる「かゆいところに手が届く」といった内容の販売、技術講習になったと自負しています。
しかし、いくら講習内容を充実させても、来場してくれなければ何もなりません。
そこで、さらなる集客材料として、案内文書の中に「ポンプサービス工具一式進呈」と打ち出しました。
工具セットというと、今流のスマートなものを想像されることでしょうが、私の用意したものは、参加された方々が即座にご活用いただける「全メーカーのポンプに対応する工具セット」だったのです。
当時はまだ部品の規格化も追いついていない時期でしたから、ポンプ取扱店の方は、せっかく工具セットを持って現地に行っても、メーカーが違うばかりに工具と部品が合わなくて作業ができないといったこともあり、この「全メーカー対応工具セット」は大変な人気を博しました。
こうやって各地で講習会を開催し、Tポンプの認識を高めていきました。
このケースでは、九州全域を対象としてポンプ関連の業種に絞り込んで、柔硬取り混ぜて徹底的に取り扱い促進を図っていきました。
結果として、この施策で売上が5割アップし、T社内でも九州の全国構成比はそれまでは2割だったものを、一挙に構成比3割までもっていきました。
こんな調子で暴れ回ったので、27歳ころになると、「ポンプのM」とか「ポンプの神様」などとおだてられるようになりました。
ちょうどそのころ、私が直接担当していた卸店が倒産してしまい、当時の金額で約2800万円が焦げ付いてしまいました。
まさに好事魔多しとはこのことです。
経理部長から「債権だ」、「債務だ」などと矢継ぎ早に聞かれますが、債権とはもらう方かな、払う方かなといった程度で目をパチクリさせているものですから、部長は頭から湯気を立てて怒りました。
このような事態を引き起こした場合は、社内では始末書を出すようになっていました。
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